妄想日記2

だいたい妄想です

隣の芝は赤い

 

隣の芝は青いという言葉がある。

 

周りにいる人たちや、環境のいいところばかりが目について、嫉妬してしまう奴だ。

 

実際は、彼らも苦労をしているんだけど、外からじゃ見えないからね。

自分の状況よりもよく見えてしまう。

 

そんな中、俺の周りには真っ赤に燃えている芝があった。

 

どう考えても、誰がみても大炎上中。

 

隣の芝は赤かった。

 

とてもじゃないけど、幸せそうには見えない家庭だった。

子供は二人いて、両親はいるんだけど、

お父さんは失業しているのか、平日もいつも近所をフラフラしている。

奥さんも、パートをしているのか、平日週末問わず、朝早くから遅くまで外出していた。

 

子供たちもやはりというか、服はお下がりのような正直綺麗とは言えない服をいつも着ていた。

おうちも古びていて、築50年は有に立っているのではないかという、近所では貫禄さえある家だった。

お兄ちゃんが勉強の合間にいつも妹の世話をしながら、ドラマさながらの貧乏家庭だった。

 

たまに家から叫び声のようなものが聞こえるが、所詮他人の家なのであまり入り込まないようにしていた。

近所付き合いもないわけではないが、近隣の人たちともそこまで仲良くはしていないようだった。

 

ただ、それでも子供たちは全く不幸そうではなく、いつも笑顔で元気に挨拶をしてくれるいい子たちだった。

 

一体、彼らはどんな家庭なんだろう。

両親は仕事はどうしているんだろう。

子供たちは、そんな自分の両親をどう思っているんだろう。

 

失礼ながら、俺が気にするようなことではない。

けれど、気になってしまう、そんな不思議な家庭だった。